倫理規程とは
日本原子力学会倫理規程は、日本原子力学会会員の心構えと言行の規範です。その特徴は、①原子力技術の特殊性から来るもの、②構成要素、③改訂の3つが挙げられます。
①原子力技術の特殊性
原子力技術は、人類に大きな利益をもたらしてくれると共に、他方で大きな災禍をもたらす可能性のある取り扱いが非常に難しい技術である。そのため、極めて社会的影響が強い技術として扱われており、このことが、他の技術系学会等の倫理綱領との差となって表れている。典型的な例として、憲章の第1条に「平和利用」への限定が強調されているのは、明らかに原子力技術の特殊性ゆえである。
②構成要素
原子力学会の倫理規程は「前文」「憲章」「行動の手引」から成り立っている。日本の工学系学協会の中で、「行動の手引」を定めたのは本学会が最初であり、現在、他の学協会でも行動の手引の制定あるいは制定への動きが成されているものの、綱領制定時に行動の手引を盛り込んでいたものは、他にない。
【各要素の概容】
◆前文
会員が願い求める基本的な理念である。具体的には、原子力三原則を守ってきた我が国の原子力開発の歴史を評価するとともに、将来も重要である視点を抽出・同意し、憲章に含まれる精神条項的な内容を記している。
◆憲章
8つの条項から成る。国内外の既存の倫理綱領を参考に、憲章の根幹となっている要素を吟味するとともに、原子力における特有の事項などにも考慮して作成された。
◆行動の手引
憲章を具体的に展開し、その内容を補足するために作成された。憲章の各条項に対応した条項だけでなく、本規程の考え方や位置づけなどが述べられた前文がある。
③改訂
原子力学会では、常に時代にあった倫理規程であることを目指しており、倫理規定制定委員会から倫理委員会への申し送り事項の中に、すでに「規程の改訂」が盛り込まれていた。倫理委員会では、2年の任期ごとに公衆審査を含めた改訂作業を行っている。改訂の議論には、技術や社会の変化(進歩)、事故や不祥事などが影響している。







